〜自己紹介と悩んだ事例1つ〜

はじめに

はじめまして。

この記事では私、緩和ケア科1年目医師が日常で患者さんと接する中で生じた感情や疑問、上手くいかなかったこと(上手くいったと思い込んでいることも)などを書いていこうと思います。

記念すべき第1回目は、『お前は何処のどいつだ?』という声が聞こえてきそうなので、まずは簡単な自己紹介と、今後はこういう記事を書いていきたいという展望と、診療で悩んだ事例を1つ紹介したいと思います。

自己紹介

2021年度から飯塚病院 連携医療・緩和ケア科(以下連ケア)所属の医師3年目です。

将来は故郷で回復期、プライマリ・ケアに従事しようと検討しています。

もともとがん診療に興味があり、診断・治療期から人生の最終段階までを一貫して診療できるようになることが今の目標です。

この記事を始めたきっかけは

 『連ケア科で診療して学んだことを、もっと多くの医療者に拡めたい!』

と思ったからです。

へんに知識を羅列するのではなく、

こんなことがあるのか!!!

という日々の学びを書いていこうと思います。

緩和ケアに限らず、内科全般の知識も浅いのですが、初学者の目線を共有することでこれから緩和ケアを学ぼうとされる方の参考になれば幸いです。

こういったブログを書くことも始めてなので拙い文章ではありますが、これからもよろしくお願いいたします。

私の投稿記事

私が患者さんと接する中で生じた感情や疑問などを書いていこうと思います。

具体的には

  『この疾患はこういう経過をたどるのか』

  『患者さんのこの発言はこういう背景があったからなのか』

  『自分では上手くいかなかったが、指導医の先生はこういうやり方するから上手くいったのか』

など、疾患の勉強から患者さんとの対話まで幅広く書いていこうと思います。

移行期ケア・緩和ケアに興味がある方や進路に悩んでいる方に向けて投稿していこうと思います。

本日のお悩み「抗凝固薬はいつまで飲み続けるの?」

最後に悩んだ事例を1つ紹介しようと思います。

抗凝固薬はいつまで飲み続けるの?、というテーマです。

抗凝固薬を飲む理由は、将来の脳梗塞リスクを下げるためです。

しかしこの薬を飲むと抗凝固療法のリスクとして、消化管出血や脳出血があり、致命的になることがあります。

ガイドラインには「リスクを考慮し、個別の状況で判断し…」とあります。

HAS-BLEDスコアなどの出血のリスクスコアと、CHADS2VASCスコアなどの脳梗塞のリスクスコアを比べながら評価することが多いようです。

ただ…出血リスクを計算することはできても、「絶対」はありません。

投薬の判断はリスクだけ考えればよいのか?

本人の希望と家族の希望が異なるときはどうすればよいのか?

…など、意思決定そのものに難しさを感じます。

そんなふうにもやもやしているとき、臨床倫理の4分割の活用について学びました。

https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2014/PA03059_02 より引用 最終アクセス 2021.7.30

これは倫理的ジレンマがある意思決定において、本人、care giver、関わる医療職と一緒に

 ①医学的適応 

 ②本人の意向 

 ③周辺の状況 

 ④QOL

について考え、話し合いの上で方針を決定するという枠組みです。

これを使うことで、今ある意思決定にまつわる問題点を整理し、個人的に感じていたモヤモヤを解消することができました。

患者さんやご家族の納得した表情を見た時、ハッとしました。

これまで治療方針は医師がすべて責任を持って決めなければならないと考えていましたが、このように正解のない意思決定に関して言えば、みんなで話し合いながら意思決定をすすめることも、納得感構築や本人の希望する生活を支えるという視点で、重要なんだと感じました。


このように、色々悩みながら日々診療を継続しておりますが、患者さん毎に診療内容を考えていくのに毎日やりがいを感じています。

皆様にもこれを共有して頂けたら幸いです。またこれを機に当科に興味を持ち一緒に学びたいという方がいらっしゃいましたら、いつでも見学をお待ちしていますので見学フォームからお申し込みください!

見学のお申し込み方法について

  • 見学は1日から3日(それ以上の長い期間は要相談)で承ります。
  • 総合診療科頴田病院(かいたびょういん;総合診療医が中心となっている96床のコミュニティホスピタル)などの見学もあわせて希望される場合、可能な限り調整させていただきます。
  • お申し込みを頂いたあと、具体的な見学内容の希望についてのアンケートフォームを送信させていただきます。
  • みなさまの見学を心からお待ち申し上げます。

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