スタッフの石上です。
院外研修から1年ぶりに帰って来られた西尾先生が中間発表してくれました。
ジレンマを感じた時は、医療倫理の原則が対立していることが多いです。
米国の哲学者のビーチャムとチルドレスは「医療倫理の4原則」とは,自律尊重(respect for autonomy),無危害(non-maleficence),善行(beneficence),正義(justice)の4つを提唱しました。自律尊重は、日本ではそこまで合わないのではないかという意見もあり日本では、清水の3原則が提唱されています。人間尊重、与益、社会的適切さが含まれています。
http://clinicalethics.ne.jp/cleth-prj/cleth_online/part1-2/rule_more.html
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Jonsenの4分割表は臨床倫理を考える上では必須の知識となっています。
臨床倫理の教育は大変であり、臨床倫理学会の教材を使用させていただいております。
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倫理的ジレンマがあるケースでは多職種カンファを経てベストケアを考えるプロセスが必要です。
では実際に、多職種カンファを行う上で、どのようなことを注意すれば良いのでしょうか?
臨床倫理の4分割表を埋めるだけであったり、準備していたものを見せるだけでは多職種の人は話せなくなってしまいますね。
以下のような点に気をつけると意見が出やすくなり良いとされています。
ファシリテーションが非常に重要ですね。
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また多職種カンファを行う目的をしっかり共有することや情報収集を各担当者にお願いするなどができたらよりいいと思います。
例えば以下のような役割が考えられます。いきなり意見を求められても、カンファレンスでは緊張して話しにくいなどがあると思います。事前に役割と準備をお願いすると少し話がしやすいと感じます。
医師:入院時からの経過・家族への病状説明・理解度
看護師:家族の状態、日々のケアで大変なこと・患者の生活歴
医師or看護師:ACP・価値観・大事にしていること
薬剤師:緩和ケアになる薬剤投与・
リハビリ:PT どの程度動けるか、リハビリに積極的か、回復する見込みはどうか
ST 食事はとれてるか、回復する見込みはどうか、楽しみの食事か
MSW:金銭状況・周囲のサポート・生活環境情報
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嚥下の倫理では、口から食べたい(自律) VS 誤嚥性肺炎や窒息リスク(善行・無危害)の問題が常にあります。体勢や食事の形態を変えて、落とし所を見つけていきたいところです。
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食べると言う行為は当たり前の生活であり、医療者がどこまで制限できるのだろうかといつも悩みます。
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当院では緩和医療専門医を目指す医師を募集しています!
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みなさまと一緒に働ける日を楽しみにしています!