一般に、医師の予後予測の見積もりは楽観的(実際より長く見積もりがち)ということが知られています。正確な予後予測は困難ですが、より精度高く予後を見積もることによって、その人が過ごしたい過ごし方を実現させることに近づけます。
こちらのSpread sheetで計算可能です。確認は行っていますが、ツールの使用は自己責任でお願いします。
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PPI palliative prognosis index
Morita T, Tsunoda J, Inoue S, Chihara S. The Palliative Prognostic Index: a scoring system for survival prediction of terminally ill cancer patients. Support Care Cancer. 1999 May;7(3):128-33. doi: 10.1007/s005200050242. PMID: 10335930.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10335930/
森田先生らが開発した日本発の予後予測ツールです。このツールのよいことは、ベッドサイドで簡便につけることが可能だということです。毎日の評価はこのツールを使用しています。
カットオフ値を使用する方法と、生存曲線を使用する方法があります。
参考:聖隷三方原病院 症状緩和ガイド
http://www.seirei.or.jp/mikatahara/doc_kanwa/contents7/71.html
PiPS predictor models
Gwilliam B, Keeley V, Todd C, Gittins M, Roberts C, Kelly L, Barclay S, Stone PC. Development of prognosis in palliative care study (PiPS) predictor models to improve prognostication in advanced cancer: prospective cohort study. BMJ. 2011 Aug 25;343:d4920. doi: 10.1136/bmj.d4920. PMID: 21868477; PMCID: PMC3162041.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26586684/
英国での前向きコホート研究から開発されたツールです。採血検査結果が不要なPiPS-Aと必要なPiPS-Bがあります。データをwebサイトに入力すると、14日生存率、56日生存率が表示されます。予測される予後が日単位(14日以下)、週単位(15日から55日)、月単位(56日以上)、のように表示されます。
参考 University College London PiPS predictor models 計算サイト
https://www.ucl.ac.uk/psychiatry/research/marie-curie-palliative-care-research-department/research/pips-prognosticator
計算結果も反映されるため、採血を行っている場合はより精度の高い予後予測が可能だと考えられています。当科では入院時に採血を行っている場合、PiPS-Bモデルの計算を行っています。
問題は上記のUCLのウェブサイトだと、検査値の単位変換が必要だということです。(例えばBUNは0.357をかける、など面倒くさい…)
そこで、日本でよく使われる検査値を用いた計算フォームをこちらに作成しました。動作確認は行っておりますが、自己責任でご利用ください。また検査値の単位については各施設でご利用のものと同じかどうかご確認をお願いします。