はじめまして、後期研修医1年目の「坊主」です。
私は200床規模の2次救急病院で初期研修を行い、医師3年目となるこの春から飯塚病院 連携医療・緩和ケア科の所属となりました。
当院では専門医プログラムに乗らない後期研修医のプログラムもあり、私は後期研修医として5月から当科のローテートを開始しております。
ローテート開始からの数か月を振り返りながら、感じていることを綴ってみようと思います。
緩和ケア医って?
突然ですが、皆さんは「緩和ケア医」というと、どんなイメージでしょうか?
治る見込みのない癌患者に対して、麻薬などを用いて、疼痛の緩和を行う医師
多くの人がこのようなイメージを持っていると思います。学生時代は自分も同じようなイメージでした。
その後、大学での学習や臨床実習などを通じて、緩和すべきは疼痛や身体的苦痛に限らない全人的な苦痛であることや、ひとりひとりの患者さん「らしい」残された時間の過ごし方を実現することが大切だと学びました。
しかし一方で、どうすればそれを実現できるのか、見当もつきませんでした。
当科での経験
当科での診療の中で学んだことは、それぞれの患者さんらしい過ごし方を見定めるには、まずその患者さんや家族のことを知り、その思いや価値観に触れていくことが大切だということです。
・がんが進行してきたものの、自宅に帰って自分で世話をしてきた家庭菜園の野菜を食べながら、大切な孫と過ごしたい。
→在宅診療を導入し、自宅で大切なご家族との時間を過ごしていただいたり、家庭菜園の野菜を楽しんでいただいたりしました。
・認知症が進行し、経口摂取は困難となったが、ご飯を食べることでまた昔の笑顔を見たいという夫。
→施設職員や嘱託医と、誤嚥や窒息のリスクを許容して経口摂取を継続するコンセンサスを形成し、施設退院後も経口摂取や夫による食事介助を続けていただくこととしました。
振り返ると、色々な患者さんの思いに触れる機会を頂いたと感じています。
そして、その思いを知ったからこそ、それを叶えるための作戦を考えることができました。
考え方の変化
これまでの自分は、
①患者さんと趣味の話をしたり
②信念を聞いてみたり
③大切な思い出の話をしたり
そんなことを全くしていませんでした。それが必要なことであるとも思っていませんでした。
しかし、患者や家族との対話の中で、医学的情報に限らず患者さんの色々な面を知ったからこそ、今後の過ごし方を一緒に考えていくことができたと思っています。
そして今では、この過程こそがACP(Advance Care Planning)や人生会議と呼ばれる、非常に大切な過程なのだと認識しています。
今回は、緩和ケア医として駆け出しの自分がいま思うことを書き出してみました。
担当した患者さんに気持ちが入って、嬉しくなったり辛くなったり、感情を振り回されて疲れたり、時にはひとり医局の席で涙をこぼしたり、と色々なこともありますが、今はとても充実した時間を過ごしています!
緩和ケアやACP・人生会議について興味を持った、もっと知りたいという方は、
見学・面談についての情報を下に載せていますので見てみてくださいね!
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飯塚病院 連携医療・緩和ケア科は2023年度の内科専攻医・後期研修医・スタッフ医師を募集しています!現在は新型コロナウイルス第7波の渦中にあり、大変な日々をお過ごしのことと思いますが、オンラインでの就職面談や病院紹介も承っております。
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