今回は当科スタッフ髙橋医師から、Cedars-Sinai病院からの視察のことをご紹介致します。
早速ご覧ください!
Cedars-sinai病院からの視察に来ていただきました。
今回は私が飯塚病院が取り組む連携医療/移行期ケア(transitional care)について紹介させていただきました。
当科は連携医療・緩和ケア科として緩和医療だけではなく連携医療を提供する役割を担っております。
日本ではtransitional careはまだあまり認知度は高くありませんが、アメリカやイギリスではtransitional careの重要性は認知されてきており、療養の場所が変わってもケア継続性が保たれることで再入院が減ったりすることなどが分かっています。英語版wikipediaにもtransitional careは記載されています。
Transitional careを専門にする医師はExtensivistと呼ばれています。
飯塚病院では総合診療科で急性期治療を担ってもらい、治療が落ち着いてから(例:あとは抗生剤を規定の期間行くだけ)は連携医療科に転科し再入院予防やACP取り組み・社会サービスの調整などを行い、地域のプライマリケアに繋ぐ、といったかなりユニークな取り組みを行っています。
最近は外科や整形外科と総合診療科によるコマネジメント(co-management)が日本でも注目されていますが、当院では総合診療科と連携医療科でco-managementに取り組んでいるのがユニークなところです。
コマネジメント以外にも飯塚病院の連携医療科は、アウトリーチやサイトビジット、extensivistの教育と養成、を行っていますが、今回は特に心不全に特化したアウトリーチ活動について説明し、見学をしていただきました。
当科では関連病院であるコミュニティホスピタルへ心不全アウトリーチを月に2回行っています。
多疾患併存の高齢心不全の患者さんが、必ずしも高度急性期病院でなく、コミュニティホスピタルで長く看ていただき、過ごしたい地域で長く過ごせるような心不全地域ケアモデルを確立するための活動です。
具体的には、当院の循環器内科にバックアップしてもらいつつ、連携医療科のExtensivistと慢性心不全の認定看護師がセットになってコミュニティホスピタルに出向き、レクチャーや多職種カンファを行い、再入院予防やgoal of careの話し合いをしながら多疾患併存の高齢心不全患者について理解を深め、コミュニティホスピタルでも多疾患併存の高齢心不全患者を支えられるように皆で取り組んでいます。今回見学に来られた緩和ケア部門のAzi先生は移行期ケアも担われているようで、この非常にユニークな取り組みに興味を持ってもらえました。
来訪2日目には、実際にアウトリーチを行っている頴田病院を見学してもらいました。
高度急性期である飯塚病院と地域のコミュニティホスピタルである頴田病院の間をつなぐ、連携医療科の活動について実際の現場をみていただきながら沢山の質問をいただきました。
ロサンゼルスでは病院によっては同一のカルテシステムでスムーズに情報のやり取りができるようで、ツールとして診療情報提供書が中心となっていることには驚かれている様子でした。
移行期ケアの本場であるアメリカにあるCeders-sinai病院の移行期ケアを実際に渡米して見学したいとお伝えしお見送りしました。
Cedars-sinaiから当科が取り組む移行期ケアについてフィードバックやアドバイスを頂け大変貴重な機会となりました。
Cedars-sinaiとの提携は当科の移行期ケアを発展させる上で重要となってきそうです。
研修お疲れ様でした!ぜひ緩和ケアの指導側としても一緒にこれからも頑張っていきましょう。
見学のお申し込み方法について
オンライン面談について
- 緩和ケアの研修や当院での勤務にご関心があっても、こういった社会状況では見学が難しいという方もいらっしゃると思います。
- そこでオンラインでの情報交換やご質問へのご回答もおこなっております。
- 個別に勤務の様子や研修内容、具体的な雇用契約内容などについて30分−60分程度、お話しさせていただきます。
- 以下のフォームより、オンライン面談の希望とご記載いただきご送信ください。
みなさまと一緒に働ける日を楽しみにしています!