スタッフの石上です。
2日目の朝は多職種のハドルを見学いたしました。緩和ケアチームでは毎朝、多職種でハドル打ち合わせを行うようです。
ハドルとは多職種でのカンファレンスのようなものです。家族面談前に行ったり、朝の情報共有で行ったりするようです。
元々はアメフトでプレイ開始前にフィールドの選手が集まるところから来てるようです。
https://americacomesalive.com/the-football-huddle-when-was-it-first-used/
公式の規定では、ハドルの定義を「ボールがレディ フォー プレーになった後でスナップやフリー キックの前に、2名以 上のプレーヤーが集合することである。」と定められているようです。
その様子を目の前で見せてくれました。
緩和ケアコンサルテーションの内容をナースがトリアージして、優先順位や内容を吟味します。
参加者は緩和ケア医(循環器、神経内科、小児、救急)、NP、チャプレン、SWが参加しました。
10時から毎日30分ほど行うようです。
司会はNPが行っており、患者は5人ほど扱われており、全員を取り上げる形ではありませんでした。以下のようなイメージです。
1腎不全で痙攣が続く若年の患者の症状緩和
2がん患者の家族サポート
3高齢のがん患者でステロイドや抗生剤を使っているがホスピスケアへ移行する意思決定をした、家へ帰れるかどうか?
などが挙げられました。
緩和ケアチームの教育や信頼の関係性作りとしても重要な役割を果たしていると感じました。
ハドルは家族面談前にも行うことを推奨されていますが、実際に行っているのをみてイメージが湧きました。
1人の患者に対して、チームでいろんなコメントをしあうようなカンファレンスのイメージです。
SW.薬剤師.チャプレンがオープンに対等に話し合ってるのが印象的でした。 特に誰かがファシリテーターとして、〇〇さんどうですか?と聞くこともなく、自然に会話されてる感じでした。
ハドルの目標は一般的には以下のようなものが挙げられます。
(1)医学的状況、可能な選択肢と予後予測の共通理解を得る
(2)家族面談の目的の合意
(3)家族について知っていることや心配事を共有する。
家族会議の前に行うハドルの効果についてのデータはあまりありません。
しかしハドルは、施設の安全ハドルから周術期の設定まで、
さまざまな設定でケアの改善に用いられてきました。
ハドルは安全上の課題を明らかにし、検査や薬局のコストを削減し、家族や医療者の満足度を向上させることが示唆されています。
誰か1人が話してしまい、他の人は沈黙するという形になってしまうカンファレンスではなく、多職種の話し合いの理想的な感じかなと思いました。
少し話はずれますが、3人目の患者のように、米国ではホスピスケアへ移行することが基準によりある程度決まっています。
ホスピスケア基準 (Hospice Eligibility Criteria)
がん、AIDS、腎不全、認知症、心不全、肝不全、神経疾患、脳卒中、意識障害、肺疾患、その他 が対象となります。
医師から、病気が正常な経過をたどれば余命6ヶ月以下の末期的な病気であることを証明されたら、ホスピスケアを受けることができます。
ホスピスという場所に行くのではなく、ホスピスケアにスイッチするという形です。なので、同じ病室で急性期ケアからホスピスケアへ変わります。
その際に、コンフォートケアオーダーセット(緩和ケアにならない医療行為は控える医療の指示)を使うことが多いようです。
オーダーが急に変わると看護師が混乱することはないのか?聞いてみました。
時折混乱することはあるが、情報共有されてるので、そこまで大きな問題ではなさそうな印象でした。
急性期での緩和ケアを行う上で、必要なシステムでもあり、大変勉強になりました。
※英語でのリスニングでニュアンスが間違っているところがあるかもしれない点はご了承ください。
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