後期研修医の鈴木です。
藤田医科大学から当科へ3か月間のローテに来られていた八幡先生が、これまでの当科での研修を振り返って最終発表をしてくださいました。今回は、心理学の観点から自己成長や後輩教育に生かせる学びを共有してくださいました。
「感情」が人を動かす原動力になる
八幡先生は、ローテ開始後に当科の松坂先生から受けた心理学講義を通じ、「教育者として、どう学びを促進するか?」という視点から心理学への興味を持たれました。
「講義を聞いて、感情が動いたんです。自分がなぜ感動しているのか、どうして興味を持ったのか。それを知りたくなりました。」
学びに火をつける「動機づけ」― ドパミン型とノルアドレナリン型 ―
教育で大切な要素の1つに「モチベーションの設計」があります。八幡先生はまず、モチベーションには大きく分けて2種類の型があることを学ばれました。
- ドパミン型(報酬型)
→ 楽しさ・承認を求めることでやる気を高める。 - ノルアドレナリン型(回避型)
→ 不安や恐怖を避けるために行動する。
実際に指導する際も、できたことはしっかり言葉で伝えることで報酬を与え(ドパミン型)、ミスがあれば状況を見ながらフィードバックを行う(ノルアドレナリン型)というような形で、2種類の動機づけをバランスよく織り交ぜることが、良質な学習環境の鍵になると語られていました。
「自発性」を育てる仕掛け
講義は必要な情報を効率よくインプットできる一方、その学習効果は短期的なものです。学習者の長期的な成長を促すためには、自発的に学ぶ姿勢を獲得させることが重要です。そのための方策として、八幡先生は以下の要素を挙げてくださいました。
- あえて小さな「傷つき」を経験してもらう
- 成功体験と失敗体験をバランスよく提示する
- 自分の中に内的な動機(=なぜそれを学ぶのか)を育てる
このような「心が揺れる経験」を経ることで、自己成長のモチベーションがより強固になっていきます。
健康に働き続けるための思考コントロール
心理学では、人の行動は 感情 → 思考 → 行動 という順序で生まれるとされています。感情が生まれること自体は抑えられなくても、その結果生まれてくる思考や行動は変えることができます。そのためには、施行や行動を制御している脳(前頭葉)の機能を最大限に保つ必要があります。
- 良質な睡眠
- 定期的な運動
- 適切な栄養
- 十分な休息
これらのリソースを確保したうえで、「孤独にならないこと」も非常に重要と語られていました。
感情のドレナージ
八幡先生は最後に、相手の満足感を高め、行動変容を促す「感情のドレナージ」を紹介されました。これは、以下のような点を意識した対話を通じ、相手が自分の感情を表出できるようサポートする技法です。
- 自分の判断を挟ませず、共感的に聴く姿勢を示す
- 相手の言いたいことを全て話しきってもらい、途中で遮らない
- 最後に内容のまとめと目的の再確認を行う
研修を振り返ってのまとめ
思考や行動の裏に隠れた感情を認識して対応することで、長期的な学習成果が変わってくるかもしれません。例えば何かを「完壁にこなしたい」という思考になったとき、それが失敗を恐れる「回避型」の動機なのか、あるいは自己成長につなげたいという内発的な「報酬型」なのかによって、その意味合いは大きく異なります。今回の研修を振り返って、八幡先生はご自身を見つめなおす良い機会になったとまとめられました。3か月間の研修、お疲れ様でした。
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