スタッフの高橋です。

2024年6月7日(金)-9日(日)静岡県の浜松で開催された日本プライマリケア連合学会に参加してきました。

HEPT(心不全緩和ケアトレーニングコース)主催企画の、『プライマリ・ケア従事者のための心不全緩和ケアトレーニングのセッション』で、『筑豊エリアの心不全地域ケアモデル』について発表する機会を頂きました。


抄録の内容については、以下の通りとなっています。

『急性期病院の専門医と地域のプライマリケア医の橋渡しをする臨床医をextensivistと呼びアメリカやイギリスでその活躍が注目されている。高齢の多疾患併存した心不全患者を高度急性期病院だけでなくコミュニティホスピタルでも診れるように、extensivistとして活動する連携医療・緩和ケア科の医師が循環器内科、慢性心不全認定看護師、コミュニティホスピタルの頴田病院と共に心不全地域ケアモデルの取り組みを始めた。今回、その取り組みを紹介する。』

心不全パンデミック時代を迎える中で、多忙を極める高度急性期病院の循環器内科医だけで多疾患併存の高齢心不全患者を診るには限界があります。
心不全末期に近づけば近づくほど再入院予防Advance Care Planning症状緩和が重要となってきます。

そこで当院では循環器内科と連携医療・緩和ケア科で週2回カンファレンスを行い、多疾患併存の高齢心不全患者は連携医療科に転科し当科で担当するといった取り組みをしています。循環器内科に比べれば、時間の余裕がある連携医療・緩和ケア科で再入院予防やACPに取り組み、その上で地域に帰していくという活動です。

これらの活動をさらに地域に広げる活動にも循環器内科と当科は取り組んでいます。
多疾患併存の高齢心不全患者は急性期病院から自宅や施設に帰る前に、地域包括ケア病棟への転院を挟むことがあります。
転院先で再入院予防やACP取り組み、ちょっとした急性増悪まで対応できるようにすれば地域で心不全患者さんを支えることに繋がります。

非癌の緩和ケアの難しいところは、急性増悪と寛解を繰り返すことです。
毎回悪くなるたびに、高度急性期病院に搬送され救急病床で治療を受けるのではなく、地域のコミュニティホスピタルで急性期治療を受けることができれば、コミュニティホスピタルの一般病棟で急性増悪を治療し、同病院内の地域包括ケアへ移ることができ、高度急性期病院からワンクッションの転院を挟むこともなくなるというわけです。

そのための心不全地域ケアモデル確立に向けた活動を2023年度から始めており、今回はその一部を発表として紹介させていただきました。

非癌の緩和ケアとして、最後の看取り期だけでなく、その手前から関わり、なるべく再入院させないような予防に取り組みつつ、ACPにも取り組みいよいよの時に備える。

高橋先生

増悪と緩解を繰り返す非癌の疾患であるからこそ、移行期ケアも緩和ケアも、難しく、かつ、やりがいがあります。

発表の内容や実際の取り組みについては、これから少しずつブログなどでも発信していこうと思っています。
興味がある方は、是非当科に見学にいらしてください。

心不全の緩和ケアは決して循環器内科だけでなく、プライマリケア医も知っておく必要があります。その勉強ができるHEPT(https://hept.main.jp/)の受講も是非よろしくお願いします。

見学のお申し込み方法について

  • 見学は1日から3日(それ以上の長い期間は要相談)で承ります。
  • 総合診療科頴田病院(かいたびょういん;総合診療医が中心となっている96床のコミュニティホスピタル)などの見学もあわせて希望される場合、可能な限り調整させていただきます。
  • お申し込みを頂いたあと、具体的な見学内容の希望についてのアンケートフォームを送信させていただきます。
  • みなさまの見学を心からお待ち申し上げます。

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オンライン面談について

  • 緩和ケアの研修や当院での勤務にご関心があっても、こういった社会状況では見学が難しいという方もいらっしゃると思います。
  • そこでオンラインでの情報交換やご質問へのご回答もおこなっております。
  • 個別に勤務の様子や研修内容、具体的な雇用契約内容などについて30分−60分程度、お話しさせていただきます。
  • 以下のフォームより、オンライン面談の希望とご記載いただきご送信ください。
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wagi

みなさまと一緒に働ける日を楽しみにしています!

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