後期研修医の鈴木です。
 藤田医科大学から当科へ6か月間のローテに来られている木塚先生が、これまでの当科での研修を振り返って中間発表をしてくださいました。飯塚病院連携医療・緩和ケア科では、移行期ケアを専門に扱う「トラチーム」(Transitional Care Team)という部門が存在します。今回は、トラチームでの研修を通じて得られた、転院調整に関する学びを共有してくださいました。

※個別の事例については、個人・組織が特定できないよう、適宜修正を加えています。


病床機能の整理

 医療法で定められた病棟区分には、一般病棟、療養病棟、精神病棟、感染病棟、結核病棟の5つの区分が存在します。このうち、一般病床・療養病床を有する病院や有床診療所には、高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能など、それぞれのその医療機関の担う診療機能を定める、病床機能報告制度という制度があります。それぞれの病院はさらに、診療報酬上の区分によって各病棟の機能を細分化させています。移行期ケアの場面、すなわち高度急性期機能や急性期機能を持つ病院から回復期機能や慢性期機能を持つ病院への転院調整においては、それぞれの病院や病棟が持つ特徴を理解することが重要です。

 もともと急性期病院を中心に勤務されていた木塚先生にとって、移行期ケアは未知の世界だったそうです。制度の複雑さに最初は戸惑いながらも、院内外の多職種との連携を重ね、徐々に全体像を掴んでいかれました。今回の発表では、木塚先生は特に以下の5種類の病床について、それぞれの特徴を整理されました。

  • 回復期リハビリテーション病棟:あらかじめ定められた疾患(脳血管疾患、脳神経疾患、骨折、急性期治療に伴う廃用、その他整形外科疾患)について、その発症・手術から間もない患者が対象となる。1日最大3時間のリハビリテーションが可能だが、対象疾患によって入院可能期間が異なり、病棟全体の在宅復帰率は70%以上が求められる。薬剤や栄養管理も包括払いとなるため、高額の治療薬を使用している患者さんでは、治療薬が継続できない可能性もある。
  • 地域包括ケア病棟:一般病棟からの転院(ポストアキュート)、自宅からの入院(サブアキュート)、レスパイト入院の3つの機能を担い、在宅復帰を目指す患者さんの支援を行う。入院期間は60日までと定められており、老健以外の施設もしくは自宅への在宅復帰率70%以上が求められる。行われるリハビリテーションは1日平均40分程度であり、急性期病棟と地域包括ケア病棟でリハビリテーションの単位数にさほどの差異はない。
  • 医療療養病棟:医療依存度が高く長期の入院療養が必要な患者さんを対象とした病棟であり、頻回の吸引や酸素投与、点滴などの処置の合計によって定められる「医療区分」によって報酬が変動する。リハビリテーションが主目的ではないため、月に行えるリハビリテーションは合計13単位(260分)までであり、医療依存度の低い患者さんの転院にはハードルが高い。
  • 介護医療院:医療保険ではなく介護保険が適応となる病棟であり、日常的な医学的管理を必要とする要介護者の療養場所や生活施設、あるいは看取りやターミナルケアの機能を併せ持つ。入所から最初の3か月間は加算があるため、1日80分のリハビリテーションも実施可能。飯塚地域(二次医療圏)では4つの病院が持っているが、受け入れ可能人数としては合計166床とさほど多くない状況。
  • 緩和ケア病棟:悪性腫瘍ないし後天性免疫不全症候群の患者さんを対象とし、入院期間によって報酬が変動する(30日、60日を超えるごとに減額)。専任の医師の配置など算定のための要件が複数あり、医療圏によって病床数に大きなばらつきがある。

地域の病院へのアウトリーチを通じた学び

 今回の研修中、木塚先生はこれら回復期機能・慢性期機能を持つ病院へのアウトリーチも経験されました。その中で、これら機能を持つ病院と飯塚病院のような高度急性期機能・急性期機能を持つ病院との間には、上記のような制度上の制限や、人的・社会的資源による制約があること、またその中でもできる診療を各スタッフが懸命に支えられていることに気づかれました。木塚先生は移行期ケアの成功の要素として、人生会議を通じたケアのゴールの設定や、長期的な医療管理の方針決定など、時間や人的リソースを必要とする意思決定を、社会的資源が比較的に整っていることが多い急性期病院の医療スタッフが率先して行うことを挙げられました。それら情報の引継ぎを丁寧に行うことが、その医療圏で働く医療者全体の負担を減らし、ひいては地域の患者さんの生活を支えていくことにつながるのです。

———————

 木塚先生、前半3か月の研修、お疲れ様でした。引き続きよろしくお願いします!

スタッフ募集中!

飯塚病院 連携医療・緩和ケア科は2026年度の内科専攻医・後期研修医・スタッフ医師を募集しています!お仕事などで大変な日々をお過ごしのことと思いますが、オンラインでの就職面談や病院紹介も承っております。

ぜひお気軽にお申し込みください!

緩和医療専門医をめざすあなたへ

当院では緩和医療専門医を目指す医師を募集しています!

興味を持っていただけた方は、お気軽に以下のフォームよりご連絡ください!

  • 見学は1日から3日(それ以上の長い期間は要相談)で承ります。
  • 総合診療科頴田病院(かいたびょういん;総合診療医が中心となっている96床のコミュニティホスピタル)などの見学もあわせて希望される場合、可能な限り調整させていただきます。
  • お申し込みを頂いたあと、具体的な見学内容の希望についてのアンケートフォームを送信させていただきます。
  • みなさまからご連絡、心からお待ちしております!

Welcome!!
見学を申し込む
申込みフォームに移動します

オンライン面談について

  • 緩和ケアの研修や当院での勤務にご関心があっても、こういった社会状況では見学が難しいという方もいらっしゃると思います。
  • そこでオンラインでの情報交換やご質問へのご回答もおこなっております。
  • 個別に勤務の様子や研修内容、具体的な雇用契約内容などについて30分−60分程度、お話しさせていただきます。
  • 以下のフォームより、オンライン面談の希望とご記載いただきご送信ください。
オンライン面談を申し込む
申し込みフォームに移動します


wagi

みなさまと一緒に働ける日を楽しみにしています!

TOP に戻る
Thank you for reading !!