6/14 1日目 前半 withdrawについて  
スタッフの石上です。
ホテルから病院への道は、全米オープンが開かれるということもあり、道が混雑してました。病院への道で有名なビバリーヒルズの前を通りました。

Ceders-Sinai病院は患者エリアや基本エリアはマスクをつけることになっており、
一部広い会議室などでは外しても良いという状況でした。

<0. オープニング>
朝は会議室で朝食を食べながら、先方の緩和ケアプログラムディレクターの先生たちと話しておりました。
CEOがOpening Remarksとして10分程度話してくださいました。
彼は医師ではなく病院管理(Administration)の方です。

・米国でも高齢者はどんどん増えている
・チーム医療は臓器移植や高度医療でもますます必要になってきている
・コロナのパンデミックの影響で医療者のケアも重要性がましている

という内容でした。
我々としては、
急性期病院からの連携医療について力を入れていることを中心に意見交換をしてきました。

<1.Withhold and Withdraw>
その後はWithholdとWithdrawのセッションでした。

・Withhold(新たに治療を開始しない)とWithdraw(治療を中止する)は倫理的には同じことですが、感情的にはWithdrawは感情的にはきついという内容はやはり米国でもありそうでした。

石上からはwithdrawに関わるようなケアのゴールの話し合いにどの程度時間をかけるか質問をしました。
ある家族はOKと言ってもある家族は反対するということがあるのですが、米国だとなんとなく判断は早いのかと思いました。彼らはit depends 状況によるということでした。米国でも多人数の家族や遠方から家族が来ることはあるし、話が二転三転することもあり、1週間、2週間など話し合いになることもあるということでした。
ただコストのかかるECMOなどだと医師の裁量が多めのSDMになることはあるということでした。

・ケアのゴールの話し合い
・家族の感情サポート
・症状緩和・ビリーブメントのサポート
の3つの軸があるとのことでした。

Withdrawの時の薬剤使用に関しては上級薬剤師(処方もできる)がプレゼンをされていました。
・Stridorに備えたステロイドの使用
・オピオイド
・ベンゾジアゼピン
の使い方について詳しく話をしてくれました。

倫理の原則としては
・Autonomy
・Non-maleficence
・Beneficence
の3つで話を進めておられました。(正義はここでは省いておられました)
ゴールを達成できず、患者の負担>利益となったらどの生命維持治療も中止するという考え方でした。

この辺のwithdrawのコミュニケーションは非常に難易度が高く、スキルが必要だと感じます。
教育についても質問してみましたが、Didacticsを中心に行っており、シミュレーションなどはないということでした。

先方とディスカッションして感じたのは、やはり緩和ケアフェローも臨床倫理の基礎に関してもある程度教育を受けているだろうということです。質問をすると意思決定能力の4つのことや過去のナンシークルーザン事件や医療倫理の話がポンポン出てきていました。

緩和ケアのフェロー枠は非常に人気が高いみたいで、3人枠に対して90人応募があるみたいでした。
また、参加した先生方も子育てしている女性の先生もいらっしゃり多様な背景でした。

事前勉強会でも最も興味のある先生方が多かったところです。

withdraw(中止)とwithhold(差し控え/不開始)について詳しく知りたい方はこのような論文も参照ください。
https://ccforum.biomedcentral.com/articles/10.1186/cc3486

日本語的には混乱しやすく、両方差し控えという医師も見受けられます。
僕も言い間違えることがあるのですが以下のイラストを思い出して覚えてます。(参考までに)
withdraw(中止)

なんか引っこ抜いている(draw)ようなイラストです。

withhold(差し控え/不開始)

現状維持っぽい(hold)イラストです。

http://ejbridge2.blog.fc2.com/blog-entry-169.html
おとなのための英単語帳から

※英語でのリスニングでニュアンスが間違っているところがあるかもしれない点はご了承ください。

BioMed CentralBioMed Central

Withdrawing may be preferable to withholding – Critical Care

The majority of deaths on the intensive care unit now occur following a decision to limit life-sustaining therapy, and end-of-life decision making is an accepted and important part of modern intensive care medical practice. Such decisions can essentially take one of two forms: withdrawing – the removal of a therapy that has been started in an attempt to sustain life but is not, or is no longer, effective – and withholding – the decision not to make further therapeutic interventions. Despite wide agreement by Western ethicists that there is no ethical difference between these two approaches, these issues continue to generate considerable debate. In this article, I will provide arguments why… もっと表示する

https://ccforum.biomedcentral.com/articles/10.1186/cc3486

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withdraw – おとなのための英単語帳

英単語を語源とイラストで説明しています。一記事に一語の説明を入れています(一語一絵英)。