スタッフの石上です。

地域医療のススメ奈良から来られている吉村先生がローテ2ヶ月を終えて最終発表してくれました。

ローテーション最初、うまく行かなかったケースがあったが、振り返りをすることで安定感が出るようになったとのことです。

彼女はローテで以下のようなことを学ばれたということで、とても嬉しいです。

飯塚病院の連携医療・緩和ケア科では主治医として、がんの患者さんと非がんの患者さんを約半々で担当することになります。

脊髄圧迫症候群など、通常はがんをメインで見ている主治医が担当するところですが、当院では緩和ケア科でも経験することができます。

発表では、彼女が数年前に忘れられなかった過去のケースについてシェアしてくれました。

未告知を希望された場合にどう対応すればよかったのか?

緩和ケア科のローテを通じて、”今ならこうできる”とを振り返ってくださいました。

当科で行っている倫理カフェでも、過去の忘れられないケースで、その時のモヤモヤを語ってもらうことをよく行なっております。

“忘れられない”ケースを振り返ることは、過去の辛さと向き合うことにもなりますが、言語化することや他の医療者の意見を聞くことで、”自分だけじゃないんだ”と気づきがあったり、このスキルを使って話せばよかったのかと、さらに成長するきっかけにもなると感じています。

特に病棟での不確実性が非常に高い中での意思決定やコミュニケーションを経験することはとても重要だと思います。今回、彼女のテーマは不確実性でした。

緩和ケアの分野では、特に医療のマネジメントにおける不確実性が高いと思います。

特に意見の対立やコンフリクトは非常に多い問題です。そうした場合には、

・意思決定やコミュニケーションスキルを用いる

ことが特に有用だと感じます。そのほかには

・患者の気がかりに対応する(患者家族の病気の体験や周囲の状況を知ること)

・ケアの継続性(見捨てないこと)

・不確実性を共有する(全てが解決するとは限らない)

なども有用であると発表してくださいました。とても勉強になりました。

吉村先生は、患者さんのためにどうすればいいか?と真剣に考えて、準備と振り返りをしっかり行い、上級医の先生のアドバイスや多職種の意見を熱心に聞かれていたのが印象的でした。

2ヶ月間ありがとうございました。家庭医療でも緩和ケアのスキルをぜひ活かしてこれからも頑張ってください!応援しております。

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