はじめまして。
スタッフの山端裕貴です。
もともと東北地方で救急科専門医として働き、ドクターカーやドクターヘリでの病院前救急診療、さらにへき地医療や離島医療も経験しました。現在は緩和ケア医として勤務しています。
今回は、第38回東北救急医学会総会・学術集会(秋田市)で「救急医療を担う次世代のビジョン」というテーマのパネルディスカッションに参加し、救急医から緩和ケア医を志すに至った私のキャリアプランについてお話ししました。
どうぞお楽しみ下さい!
この企画は、学生や研修医をメインターゲットにしており、若手救急医(PGY6〜15程度)がそれぞれのキャリアプランについて語るというものでした。救急医療に興味を持ってもらい、救急医を増やすことを目的の一つとしています。
バリバリの外傷救急医や総合診療医、女性救急医、起業した救急医など、多様なキャリアを持つ救急医が私を含めて8名、発表を行いました。
私は「救急医から緩和ケア医へ」というタイトルで、緩和ケア医を目指そうと決意するきっかけとなった症例について共有し、当科の紹介も行いました。
その症例は、6歳の男の子の脳死下臓器提供のケースでした。当時、小児救急や集中治療を志望しており、自ら主治医としてこのケースに関わりました。入院からお見送りまでの約1ヶ月間は、逃げ出したくなるような辛い瞬間や悲しい瞬間もありましたが、ご家族から最後に「先生が主治医でよかった」と言っていただけました。
今でも心の支えとなっています。
このケースを通じて私が最も強く感じたのは、「死と隣り合わせの救急医だからこそ、緩和ケアを学ぶ意義は大きい」ということです。
薬を使って症状を和らげるだけでなく、患者さんやご家族とのコミュニケーションや意思決定支援も、緩和ケアの重要な要素です。この子との出会いを通して、自分にはまだまだ緩和ケアのスキルが不足していると感じ、どこでも役立つ緩和ケアマインドを身につけたいと強く考えるようになり、飯塚病院連携医療・緩和ケア科の門を叩きました。
パネルディスカッションを聴いた学生からは「緩和ケアは癌や終末期のイメージしかなかったが、そうではないことを初めて知った」という感想をいただきました。
救急の地方会でしたが、今回の発表を聴いた人の中から、少しでも緩和ケアに興味を持つ人が出てくれたら嬉しいです!
飯塚病院連携医療・緩和ケア科では、コミュニケーションスキルの教育にも力を入れており、たくさんのレクチャーを行っています。実際の患者家族との面談には指導医が同席し、終了後には振り返りを行います。面談のフィードバックを受ける機会というのは、働きながら得ることが難しいため、非常に貴重な学びとなります。私も医師8年目で緩和ケアのトレーニングを開始しましたが、多くのケースを経験させていただいています。少しずつコミュニケーションに自信がついてきました。
少しずつコミュニケーションに自信がついてきました。
また、集中治療科とのICU倫理カンファレンスも定期的に行い、治療方針に悩む症例や、「これで良かったのか」とモヤモヤを感じた症例などについて振り返りを行っています。
総合診療科や内科の専攻医だけでなく、救急科の専攻医も多くが短期研修に来ています。興味のある方は、ぜひ一度見学にいらしてください。一緒に救急や集中治療領域の緩和ケアを盛り上げていきましょう!
見学のお申し込み方法について
オンライン面談について
- 緩和ケアの研修や当院での勤務にご関心があっても、こういった社会状況では見学が難しいという方もいらっしゃると思います。
- そこでオンラインでの情報交換やご質問へのご回答もおこなっております。
- 個別に勤務の様子や研修内容、具体的な雇用契約内容などについて30分−60分程度、お話しさせていただきます。
- 以下のフォームより、オンライン面談の希望とご記載いただきご送信ください。
みなさまと一緒に働ける日を楽しみにしています!