緩和ケアチームが関わる事例の0.6%が小児例だと報告されています。もしかすると、あなたの施設でも小児の緩和ケアに関わる機会があるかもしれません。普段成人の緩和ケアに従事する皆様に小児の相談がきても、困る方も多いのではないでしょうか。
成人患者を主に診療している緩和ケアチームが小児患者にかかわるためのハンドブック
2012 年 6 月に閣議決定された第 2 期がん対策推進基本計画において、「小児がん」が新たな重点項目となり、取り組むべき課題として小児がん治療施設の集約化と小児がん患者に対する切れ目のないフォローアップ体制の確立、患者家族支援があげられ、その中で治療中から一貫した疼痛管理、終末期ケアを含めた緩和ケアの充実が明記されました。
その後小児がん拠点病院 15 施設が選定され、小児がん診療の集約化と小児緩和ケア体制の充実が謳われていますが、小児がん拠点病院で診療されている患者の割合は 40%程度に留まっており、小児がん拠点病院以外で診療されているこどもたちも少なくありません。(同ハンドブックより抜粋)
そこで、多くの成人の緩和ケアチームがまず関わるであろう小児がんに焦点をおいて、どのような点に留意すればよいのか?どのような活動が望ましいのかについて記載している手引きがリリースされました。
緩和ケアチームのための小児緩和ケア教育研修
これまで小児科医を対象とした「小児科医のための緩和ケア教育プログラム(CLIC: Care for Life-threatening Illnesses in Childhood)」が開催されてきました。
平成24年には「がん対策推進基本計画」の改定が行われ、「小児がん」も重点的課題として挙げられました。その中では、小児に対する緩和ケアを含んだ専門家による集学的医療の提供や、患者とその家族に対する心理社会的な支援も取り組むべき施策のひとつとされています。
緩和ケアの専門職に対して、小児緩和ケアに関するコンサルテーションが寄せられる背景も考慮され、緩和ケアチームに所属する医師、看護師、心理士、MSWなど、さまざまな専門職の方々を対象とした、小児緩和ケアについての研修会 CLIC-T; Care for Life-threatening Illnesses in Childhood for palliative care Team が開催されるようになりました。
- 1日集中型のセミナー形式
- 小児の特性に配慮した内容となっている
- 小児緩和ケアへの造詣の深いファシリテータが担当する
- 事例に基づいた実践的なレクチャーを行う
- ブレイクアウトルームを用いた簡単なワークを行う