皆さまこんにちは、非常に暑い中ですがいかがお過ごしでしょうか?

さて今回は「全国の連ケア卒業生へインタビュー」第三弾になります。

今回は、鳥崎哲平先生にインタビューしてみたいと思います。

インタビュイーは?

名前:鳥崎 哲平(とりさき てっぺい) 先生

所属:大腸肛門病センター高野病院 緩和ケア科

大学卒業年度:2012年度

詳しくは、以下の公式サイトをご参照下さい。

https://www.takano-hospital.jp/about/doctors.html

略歴

熊本大学病院麻酔科医局に入局。最初の2年間は手術室で麻酔業務に従事。その後、入局3年目で大学病院の緩和ケアセンターの常勤となり、5年間にわたって症状緩和に注力する。その中で、全人的ケアやコミュニケーション・意思決定支援の重要性を感じ、緩和ケア病棟での勤務を希望し、現在の病院で働かれている。飯塚病院連携医療・緩和ケア科には、大学病院緩和ケアセンターの在籍中に短期研修のために来られた。

緩和ケア医を志したきっかけ

人の肉体はいずれ衰えて死に向かっていきますが、人の精神はその死の直前まで健康までいることが出来ます。そういった思いから医学部入学当初は精神科を志していましたが、大学1年の講義で緩和ケアに強く惹かれました。

身体的苦痛だけでなくて、精神的苦痛、そして社会的苦痛やスピリチュアルペインに寄り添うのが緩和ケアだと聞いて、可能性が無限大で最強だな、と思いました。

それが、緩和ケアの道を選んだきっかけです。

緩和ケア医になって、現在の業務

学生の頃から目指していた緩和ケア医に実際になりましたが、現実を見て冷めることは全くなく、いつまでもモチベーションが尽きません。

緩和ケアは範囲が広く、学ぶことが多いため、興味が尽きないからです。あまり言わないようにしていますが、緩和ケアって最強だと実は今でも思っています(笑)

今は病院で緩和ケア医として働きながら、キャリアを重ねた後に緩和ケア医を志している、医師としては先輩の先生方にも指導をさせて頂いています。

1日のタイムスケジュール

・1日のタイムスケジュール

– 8:00~9:00: 出勤、情報収集

– 9:00~11:00: 病棟回診、指示出し

– 11:00~18:00: 入院対応、外来、入棟面談、患者・家族説明

  – 日によってカンファレンス、緩和ケアチーム回診、書類仕事など

– 18:00~21:00: 帰宅、夕食、家事・育児

– 21:00~24:00: (休憩しながら)講演準備、執筆、大学院の研究・論文作成

気分転換は、家族と過ごす時間が何よりの癒しであり、通勤路を少し変える、仕事の合間に音楽を聴くなどの些細な変化が脳を活性化してくれると思います。

現在取り組んでいること、今後の展望

また、基本的緩和ケア教育の普及啓発・質向上に力を入れており、自らの知識や経験を広く発信するためにWebサイト「緩和ケアオンラインポータル(Palliative Care Online Portal; PCOP)」を立ち上げました。このサイトを通じて、全ての医師に基本的な緩和ケアの知識と技術を届け、医療全体の緩和ケアのレベルを底上げすることを目指しています。

https://sites.google.com/view/p-c-onlineportal

また、臨床倫理の大学院に通い、今の病院全体で臨床倫理の風土を根付かせることにも注力しています。臨床倫理カンファレンスを施行することで、医療現場での倫理的な問題に対処する能力を向上させることを目指しています。

そういった活動の中で、より多くの人々に症状緩和だけでない緩和ケアの重要性を伝えていきたいと思っています。

これからはさらに教育に携わりたいと考えています

学校教育などを通じて、癌に関する予防だけでなく、残された時間をどう過ごすか、生き方・死に方についても考えるきっかけができるよう広めていきたいと思います。

飯塚病院で学んで現在に活きていること

飯塚病院での3か月間の研修期間は、コロナ禍の緊急事態宣言中というイレギュラーな状況にも関わらず、多くの経験・刺激・人との繋がりを得ることが出来ました。緩和ケア従事者にとっての最大の敵は「孤独」だと思っており、同年代の尊敬すべき緩和ケア医との出会いが大きな財産となったと思います。

緩和ケアを志している若い先生へのメッセージ

緩和ケアは、症状緩和だけではなく、意思決定支援やコミュニケーション、社会的支援も重要です。緩和ケアの分野は非常に広く、患者さんだけでなく、その家族の精神的、社会的支援が求められます。症状緩和のレベルは医療全体で底上げされている一方で、意思決定支援やコミュニケーションのスキルはまだまだ不足していると感じています。

緩和ケアの難しさは、スッキリと治ることがほとんどないこと、そして正解がないためこれで良かったのかと思い悩むことに尽きると思います。

そのため、自分ができる限りのことをした、といかに思えるかが非常に大切だと考えます。自分が行ったことを正しく評価し、周りと振り返り、ねぎらい合うことができるかが重要です。

孤独にならないこと、させないこと、を大事にして下さい。

患者さんが亡くなることが多く、やるせない気持ちにもなるでしょう。そのため、達成感は、患者さんやその家族に求めるものではなく、自分の中で生み出さなければならないことを強調したいです。

焦りや落ち込むこともきっとあるでしょうが、長い目で見れば自分を成長させる糧となります。

皆さんの長い緩和ケアの旅路の中で、自分の本やPCOPのサイトが、その旅のお供になってもらえたら嬉しいです。

スタッフ募集中!

飯塚病院 連携医療・緩和ケア科は2024年度の内科専攻医・後期研修医・スタッフ医師を募集しています!お仕事などで大変な日々をお過ごしのことと思いますが、オンラインでの就職面談や病院紹介も承っております。

ぜひお気軽にお申し込みください!!

見学のお申し込み方法について

  • 見学は1日から3日(それ以上の長い期間は要相談)で承ります。
  • 総合診療科頴田病院(かいたびょういん;総合診療医が中心となっている96床のコミュニティホスピタル)などの見学もあわせて希望される場合、可能な限り調整させていただきます。
  • お申し込みを頂いたあと、具体的な見学内容の希望についてのアンケートフォームを送信させていただきます。
  • みなさまの見学を心からお待ち申し上げます。

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オンライン面談について

  • 緩和ケアの研修や当院での勤務にご関心があっても、こういった社会状況では見学が難しいという方もいらっしゃると思います。
  • そこでオンラインでの情報交換やご質問へのご回答もおこなっております。
  • 個別に勤務の様子や研修内容、具体的な雇用契約内容などについて30分−60分程度、お話しさせていただきます。
  • 以下のフォームより、オンライン面談の希望とご記載いただきご送信ください。
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