皆様こんにちは!
緩和ケア医のYuukiです。
今回は当科スタッフの高橋医師が、徳之島へのアウトリーチを経験してきましたので、そこでの様子をご紹介させて頂きます。
高橋です!ぜひご覧ください!
自己紹介
名前 高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
病院 飯塚病院
所属 連携医療・緩和ケア科
卒後何年目 PGY7
徳之島×緩和ケア アウトリーチとは?
徳之島×緩和ケアアウトリーチは東北大学の田上先生と徳之島徳洲会の田代先生、田畑看護師さんらで開始された、どこの地域でも緩和ケアを行えるように緩和ケア均てん化のために始められたプロジェクトです。
毎月、様々な緩和ケア医がアウトリーチを行っていますが、飯塚病院枠で今回、徳之島に伺う機会を得ました。
飯塚病院緩和ケア科で学んだことを伝えるとともに、徳之島での緩和ケアを実際に体験し、自分もそこから学ぶことを目的として今回伺わせていただいています。
実際に経験したこと
鹿児島県 徳之島に緩和ケアのアウトリーチに行ってきました。
※徳之島については、以下の鹿児島県のHPをご参照ください。
http://www.pref.kagoshima.jp/ac07/pr/shima/gaiyo/tokunoshima/tokunoshima_top.html
5年前から始まったプロジェクトで月1回、様々な緩和ケア医が月替わりで徳之島を訪問しています。
今回、飯塚病院枠を私が担当させていただきました。
初めての訪問でドキドキです。
前日に博多駅から鹿児島中央駅まで移動し、早朝の飛行機で鹿児島から徳之島へ移動しました。
いよいよ徳之島上陸です。海開き間近の徳之島は4月下旬とはいえ蒸し暑かったです。
初日は病棟のコンサルトと訪問診療、夕方に病院スタッフ向けのレクチャーでした。
病棟コンサルトは、症状コントロール/意思決定支援/社会的問題の整理など様々です。
病棟看護師さんや患者さんの話を聞きながら、解決策を一緒に考えていきます。
飯塚病院の緩和ケアチームの経験が生かせたかなと思っています。
病棟コンサルトが終わるとお昼ご飯に連れて行ってもらいました。
地元の人が通う徳之島ラーメンのお店に行ったのですが、これがとても美味しかった!
沖縄そばに近い見た目ですが、テイストは全く違い今まで食べたことのないラーメンです。また食べに行きたい!
午後は病棟コンサルトと訪問診療を行い、その後に病院スタッフ向けに「緩和ケア領域でのステロイドの使い方」をレクチャーさせていただきました。
レクチャーが終わって、一息つけるかと思ったのも束の間、救急外来から応援要請が入り至急救急外来へ向かいます。
翌日、訪問診療で伺う予定だった患者さんがショックバイタルで救急搬送され、治療および意思決定支援を手伝ってほしいとの要請でした。
当直医と協力し、ショックへの対応をしながら本人/家族とお話し、意思決定支援を行っていきます。
飯塚病院では、急性期緩和ケアチームとしても活動させていただいておりますが、一緒に活動している石上先生から学んだSerious illness conversation(重篤な疾患を持つ患者さんとの話し合い)の経験などが生きました。
※「Serious illness conversation」に関しては、下記の中外製薬のサイトに日本語版がありますので、興味のある方はご参照下さい。
https://chugai-pharm.jp/contents/bj/003/03/
ショックを離脱し、方針決定もある程度行ってから当直医へ引継ぎを行い、初日の業務は終了しました。
時計を見ると夜9時過ぎ、しかし徳之島の夜はまだ終わりません!病院スタッフの方々が宴会を用意してくれていました。徳之島焼酎(黒糖焼酎)を呑みつつ、離島医療について様々な話を聞かせていただきました!
翌日は朝から訪問診療です。徳之島を縦横無尽に移動します。
飯塚病院では、近くの訪問診療医院と提携し週1回の訪問診療研修を行っていましたが、その経験を踏まえ対応していきます。
移動しながら看護師さんから、このアウトリーチプロジェクトが5年間でもたらした徳之島医療への影響や今後の展望などを聞かせてもらいました。
緩和ケアがまだあまり浸透していなかった5年前から徐々に緩和ケアが広まっていき、5年目の今年は新たな取り組みに着手していました。
癌化学療法のために島外にでた島人が、化学療法が奏功せず容態が悪くなった結果、島に帰れず島外で最期を迎えることがあります。
それを防ぐため、鹿児島市の化学療法を行う大きな病院に出向いてプレゼンを行い、容態が悪化したら早めに島に逆紹介をして欲しいこと・島でも緩和ケア/在宅医療が提供できることを説明して回り、最期は島で迎えたいという島民の希望を叶えるための新たな活動を開始したそうです。
5年でここまでの取り組みができるようになったことに驚きを隠せませんでした。
あっという間に2日間は終了!
最後に島特産物をたくさんお土産にいただきました!
経験して特に学びになったこと・今後に活かしていけそうなこと
飯塚病院の緩和ケア科に来てちょうど1年が過ぎましたが、病棟業務/緩和ケアチーム/急性期緩和ケアチーム/訪問診療研修で学んだ経験を徳之島アウトリーチに生かすことができ、緩和ケア医として少しは成長できているのかもと思えました。
緩和ケアを学ぶだけでなく、緩和ケアを将来は広めて行きたいという自分自身の目標があります。
徳之島の緩和ケアチームがこの5年でいかにして緩和ケアを広めていったのかをじっくり聞くことができ、その経験は大きな学びとなりました!
最後に一言
また来年もぜひ徳之島アウトリーチに行き、徳之島の緩和ケアがどう発展しているか実際にみて学びたいです。
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みなさまと一緒に働ける日を楽しみにしています!