スタッフの石上です。
飯塚病院、ハートネット病院、JCHO九州病院、浜の町病院が協力して勉強会を開催しています。
今回は浜の町病院の永山先生にレジデントが知っておくべき苦痛緩和のための鎮静について話をしていただきました。
苦痛緩和のための鎮静は、最後の切り札 (Last Resort)としての位置付けになります。
聖隷三方原の森田先生が共同研究でされた論文です。
日本の緩和ケア医の解答率はなんと71%で、本当に真面目ですね。
Heijltjes MT, Morita T, Mori M, et al. Physicians’ Opinion and Practice With the Continuous Use of Sedatives in the Last Days of Life. Journal of Pain and Symptom Management. 2022;63(1):78-87.
色々なセッティングの質問で、鎮静剤を使うかどうかを5段階のリッカート式で賛成〜反対で答えられています。予後が数時間から数日の場合は鎮静剤を使用することは妥当と考えている人はコンセンサスがありそうです。
その他にも余命が数週間の時の精神的苦痛を和らげる手段として鎮静薬は許容されるか?といった議論もありました。勉強会の中でも意見が割れました。また、鎮静剤を用いることはGood deathになりうるか?という議論もありました。
また、余命が数時間から数日となると安楽死と区別するのが難しいと感じるは、日本ではばらつきが大きいとされています。死を早める目的で致死量を使う安楽死と、苦痛緩和が目的で鎮静剤を用いる場合とでは目的も薬剤量も違うのですが、ごっちゃになりやすいところかと思います。
今回の勉強会では、手引き以上のことをわかりやすくまとめてくださり、とても勉強になりました。国によって考え方が違うことが明確にグラフになるとそれくらい悩ましい問題だということがよくわかります。
今後は、新しいあり方の模索が始まっております。
森田先生の本が参考書籍として挙げられています。
また、緩和医療学会では基本的な考え方と手引きが無料でダウンロードしてみれるようになっております。
https://www.jspm.ne.jp/publication/guidelines/individual.html?entry_id=1391
とても勉強になりました。鎮静は非常に深い議論で、難しさを感じています。
指導医の先生から背景や考え方をしっかり学べる機会はとてもありがたいです。第2弾も検討中とのことで楽しみにしております。
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